悲願遂に

 では決勝報告第一弾、秋田県です。



 第87回大会 秋田県予選決勝 秋田中央ー秋田工業@市営八橋球技場 '07・10・27
 曇り。風はあまりない。レフェリーは岸川氏、テレビ解説は内藤徳男氏(男鹿工監督)。
 
 秋田工業 
 1伊藤(正) 2伊藤(大) 3佐藤(亮) 4佐々木 5黒川 6渡邊 ⑦後藤 8松井 9松下 10鎌田 11近藤 12高桑 13高橋 14遠藤 15畑山 (○はキャプテン)


 秋田中央
 1滝代 ②吉田 3鎌田 4八槻 5吉田 6佐藤(克) 7佐藤(康) 8浜田 9鈴木(央) 10奈良 11鈴木(智) 12谷 13関山 14佐々木 15佐藤(正) (○はキャプテン)

 試合には全く関係ないが、秋田中央のスタメンは佐藤3名、鈴木2名。連絡網とか大変なのではないだろうか。「佐藤ですけど、佐藤さんのお宅ですか?」とか。「佐藤ですけど、鈴木さんのお宅ですか?」というのも妙に味わいがある気がする。携帯だからこんな風な電話はもうしないのか…つまらない。

 前半 秋田工のキックオフ
 
 この前半、スコアはなかなか動かない。キックオフから果敢に攻める秋田中央。22m付近まで迫るも、そこからDFに阻まれゴールラインには届かない。
 一方秋工は、5番黒川をラインアウトの核に据え、しっかりボールをキープするも、モールが押し込めず、攻め手を欠く。中央の激しいDFに中々敵陣深くに入れない。
 20分が経過するあたりまで、中央は自陣からでも積極的に回し、相手にボールが渡ったならとにかく前に出てDFする。接点で互角。スクラムも健闘。ただ、なかなか秋工陣22m内に入っていけない。
 対する秋工、ラインアウト以外のFW戦の部分で制圧できず、FWで行ってもBKで回しても、最後のところでノックオンかペナルティ。DFをしっかりしているため大事には至らないが、攻めあぐねている様子である。
 チームとしての勢いは秋田中央にある。

 24分 秋田工 中央陣ゴール前、ラックをモールのようにバインドしながら最後尾の選手が足でキープし前進、押し切れなくなり、出そうとしたところでSHがノックオン。その前に中央のオフサイドがあったため、PGを選択。22mラインより内側、ほぼ正面から10番が成功させる。3-0。

 この後のキックオフを秋工はノックオン。中央ボールのスクラムとなる。そこから9→10→13が大きくゲインし、8にパス。そのまま8が核となりモールを組む。崩れてラックとなったところで秋工がペナルティ。22m内側。選手たちは迷う様子を見せるが、会場からは大きく「狙えー!!」の声。14番もゴールを指差す。

 28分 秋田中央 正面の位置でのPGを10番が決める。3-3。

 お互い守りきって前半はこのまま終了する。解説の内藤氏も、「白熱したいいゲームですね」とのたまう。細かいところのミスはあるが、力は拮抗している。中央が明快に展開志向なのに対し、秋工はモールが押し切れず、FWにこだわりきれない。BKで回すとミスが出る。後半どうするつもりなのかが興味深い。

 後半 秋田中央のキックオフ
 
 1分 秋田中央 相手陣22mライン上での相手ペナルティから2番がボールを持ちFWで行く→ラックを連取、さらに9→10が自ら行き、ラック→9がサイドを突破、ラック→2→5→9→10と渡ったところで、左側に15、11とラインが出来ている。15を飛ばし、11にパス。DFは二人いたが、内に切れ込み見事なトライ。10G失敗。8-3。

 3分 秋田中央 勢いが途切れない。相手のキックオフをキャッチし、ノータッチで蹴り返すと、上がってきた相手4番に13がナイスタックル。FWが素早い集散を見せ、見事なオーバー。ペナルティをもぎ取ると、8が速攻→大きくゲインしラック。9→10→15(ライン参加のFWを一人飛ばす)と渡り、15相手のタックルをかわしながら粘り強くゲイン。ラックとなる。9が走りこむ4にパス。これもゲイン→ラック→出た球を受けた2、倒れこみながらも僅かにゲインする。そこからさらに出た球を受けた10がDFを引きつけながらラン、二人飛ばして14にパス→さらに大外にいた11パスが渡りトライ。10G失敗。13-3。

 ここから中央の時間。走りこむエース、15番佐藤正章に秋工、ハイタックル。そのペナルティからまたもFWでGO。相手に注意が与えられていたので、速攻は不可能であるのに、である。ラックの後にバックスに回ったボールは残念ながらノックオンとなるが、試合の流れは変わらない。DFでよく前に出、得たボールを回して攻撃する。

 12分 秋田工12、ハイタックルによりシンビン。二本目のハイタックルだったため。

 このペナルティで中央は9番がすぐ仕掛けたのだが、シンビンを適用するために戻されてしまう。 
 ここからなんと中央は再度FWで行く。22mより外側、2番が持って突っ込みラック。ラックを連取し、10番が短く投げたパスに15番が鋭い角度で内に。鮮やかなインサイドブレイク。ゴールラインを目前に惜しくも防がれる。
 ノックオンとなり、秋工ボールスクラム。中央FW陣がぐっと押し込む。プレッシャーを受けた状態で秋工は何とかつなぐも、大外まで回る間にDFのプレッシャーが早く、ハンドリングミス。中央がターンオーバーに成功したため、オフサイドを誘発されてしまう。ここで中央は速攻、1が大きくゲインする。ラック。出た球を10→12→14(一人飛ばし)と回し、14がタックルされ倒れ掛かるところを13がボールをリップ、少し前に出てラックとなり、パイルアップからキャリーバックスクラム。

 16分 秋田中央 スクラムから9→10→12→14とつなぎ、さらに大外の11へ。そのまま右隅へトライ。10G成功(遂に!)。20-3。セイフティリードに逃げ込む。

 しかし、気が緩んだのか、この後キックオフからのボールの処理で中央10番がファンブル。秋工はもちろん、見逃さずにFWがとびかかる。ターンオーバー。中央の反則もあり、中央ゴール前での攻撃。後半始めてである。

 20分 秋田工 ゴール前マイボールスクラムから、8、サイド→ラック→6がサイド→ラック→8がもう一度持ち出しつないで1トライ。10G成功。10-20。

 まだまだ勝負はどちらに転ぶか分からない時間帯。
 キックオフからボールをキープして責め続けたい秋工だが、中央のDFのプレシャーに9がノックオン。
 しかし、中央も攻め込みながら反則。秋工反攻に転ずるが、バックスがどんなに余っていても何故かクラッシュしてしまう(解説の内藤氏「余っているのに…(ため息)」)。そしてノックオン、ターンオーバー。しかし、この後秋工再度ターンオーバー。折角のボールをまたも回しきれない。外ではなく、内へ内へと入ってしまう。DFのいる方へ…。
 なんとかつなぎ続け、遂に敵陣に入るも、激しいタックルにボールがこぼれる。中央の反応の方が速い。逆に秋工のペナルティ。

 25分 秋田中央 ここからすぐに8番が行く。ハーフウエイを僅かに入ったところから独走、DFは誰も反応できず、真ん中にトライ。10G成功。27-10。
 マネージャーの目に涙が見える。

 秋工必死に攻めるもボールが手につかない。時間は刻々と過ぎる。ここで秋工、自陣22m付近で痛恨のペナルティ。
 中央フィフティーン、少し迷うもPGを選択。

 29分 秋田中央 PG 10成功。 30-10。

 後がない秋工、ボールをキープして攻め続けるが、最後、キックパスがタッチに出てしまい、フルタイム。
 秋田中央が42年ぶりの花園出場を決めた。

 試合後感じたのだが、秋田工は誰が中心選手なのだか分からないままだった。それは取りも直さず戦い方のピントが定まっていなかったということではないだろうか。勝手な想像なのだが、もう少し横綱相撲がとれると思っていたのに、イメージと違っていて対応できないうちに試合が終わってしまったというのが実際のところなのではないか。
 また、前半と後半、終了間際の二本のキックパスの質が悪い。何故真横?前半の一本が決まっていれば後半は違った展開となっていたかもしれないのだから、もう少し精度の高い攻撃を見てみたかった。

 対して、秋田中央。「展開という理想に殉じ、試合を失う」という状況を何度か見ているので、前半に自陣からでもとにかく展開、を見たときには、どうなることかと思ったが、遂に、理想を体現しながら栄冠を勝ち取った。勝因はDFの速さとFW戦で負けなかったこと。ボールダウンの仕方など危ういところは散見されるし、より強い相手にどれくらい通じるラグビーなのかは未知数だが、間違いなく見るものに何かを訴えてくるチームではある。半端に無難な選択に陥ることなく、展開ラグビー一筋にチームを作り続けてきた古谷和義監督の思いが、花園で観客の目に届くことを祈っている。
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by kefurug | 2007-11-08 17:50 | 花園予選'07

とりあえず、非常に個人的な思いを書き綴ります。


by kefurug