5月31日

 天気予報は、全国的に雨の土曜日。



 普通のラグビーファンは、CAB戦が国立競技場で行われるのに足を運ぶか、テレビで観戦するか。雨空が恨めしいところ。
 秋田では春の早明戦。東北なら雨ももつかも、と、熱心なファンの多い両校のこと、遠征された方も実は多いかもしれない。ちょっと遠いけれど…(秋田国体行きたかった←また言ってる)。
 自分としては、中央ー法政の一年生試合(法政の松本君が見たかったな)と中央Bー曼荼羅クラブの怪我人復帰戦(何しろ大塚大輔と山下弘資がやっと復帰ですから)が見ておきたかった。♪雨降りでも気にしない~(by奥田民生「マシマロ」)。


 しかし、何故か私はトヨター東芝@豊田市陸上競技場に座っていた。遠路はるばる…。何故か?
 それはもちろん(?)、前座が東海大会予選の愛知県大会準決勝二試合だったからである。今年は愛知と奈良がテーマなので、これはいいチャンス。花園予選の前にどうしても一度春日丘と西陵を見ておくために頑張ったのだ。頑張っても何もどうにもならないのだが。新人戦の結果から名古屋高校も気になるところであったし。


 名古屋に着くと雨は上がっていたが、途中でまた降り出す。豊田についてからも降ったり止んだり。芝はきれい。晴れていればもっとたくさんの人に見てもらえるのに、と残念。


第一試合 春日丘33ー24名古屋
 
 春日丘のキックオフでゲーム開始。春日丘が攻め込むも、小雨のせいかハンドリングミスが続く。また名古屋のディフェンスのプレッシャーになかなか攻めさせてもらえない。11分、先制は名古屋。春日丘が自陣22mラインを少し入ったところでペナルティ。ゴールほぼ正面、PGを選択。14が決め、3-0


 しかし、この後、ディフェンスで名古屋がオーバーザトップを取られる。そこから春日丘はタッチ→ラインアウト→モールで押し込みサイドを8がトライ(15分)。12のゴールも決まり、7-3


 この後、互いにラインアウトのミスやペナルティなどでチャンスをものに出来ない時間帯が続く。前半の終盤、名古屋のハイタックルから春日丘がペナルティを得て名古屋陣深く攻め込む。ゴールライン目前でラックパイルアップ。名古屋ボールのスクラムを春日丘がターンオーバー。そこからモールを組み、最後は8がトライ(29分)。ゴールは失敗し12-3で前半を折り返すことになった。


 後半、早々に名古屋が絶妙なフラットパスでバックスがきれいに抜けるも、スローフォワードの判定。春の選抜から続くいらいらに愛知に来てまで怒り心頭である。一体、スローフォワードは日本のレフェリーの間でどう定義され、どう判断するように皆さんで勉強しているのか、ファンや選手にも分かる形で公開してほしい。公開できないものなのだろうか。出来ないとしたらおかしい…。


 話は逸れたが。名古屋は、前半激しくディフェンスした疲れが出たのか、ちょっとタックルが甘くなる。そこをついた春日丘5分、相手キックをキャッチしたカウンターから8が大きくゲイン。5につなぎラックから右に回し最後は10がトライ。ゴールも成功し、19-3。この後のキックオフを名古屋が失敗し、完全に春日丘ペースに。名古屋は密集での絡みやディフェンスがことごとくペナルティにとられ、全く流れが摑めない。後ろで見ていた西陵のご父兄の方々が「名古屋は普段ペナルティが少ないのに、珍しいね」と話している。見ていて、ディフェンス側に厳しい笛だったのが大きいとは思うが…(「…」で察して下さい)。正直、この試合は(言っても詮無いことながら)レフェリングは陰の立役者だったなあと思うのである。ちょっとフラストレーションの溜まる展開。ただ、確かに密集への対処、早さ・速さは春日丘が上。だから余計にペナルティをとられてしまうのである。人生は厳しい!?


 という空気の中、11分、15分と相手ペナルティを起点に春日丘がトライを重ねる。それぞれゴールも決まりこの時点で33-3。残り時間はそれなりにあるが、試合の大勢は決した。


 が、ここから名古屋が怒涛のトライラッシュ。さすが、「男らしく、強くあれ。」の名古屋高校である(今月のラグビーマガジン参照のこと)。20分、25分、30分と、やはり少し気が抜けたか、やや甘くなった春日ディフェンスを正面から切り裂き(前半あんなに出られなかったディフェンス網の後ろに易々と出られる)、3トライ2ゴールを挙げる。24-33と、接戦の雰囲気をもつスコアになったところで、時間切れ。春日丘が一応順当に勝ちあがった。


 実はもっとロースコアでもっと接戦になるのではないかと思っていたのだが(何となく春日に圧倒的な強さが感じられない気がしていた)、とにかく名古屋は、前半ラインアウトのミス、後半15分まででのペナルティが多すぎた。あれでは勝てない。ただし、前にぐっと出るディフェンスは鍛えられているし(これがオフサイドにとられがち…ここが改善されると他チームには脅威かも)、パス回しなども工夫しようとしている、と思う(スローフォワード…まだ言ってる)。間違いなくいいチームで、今年の愛知は本当に楽しみかも!


 対する春日は、頑張りすぎではないか?と言いたくなるほど起点が全てNO8 、彦坂弟である。雨のせいもあるのだろうが、バックスで抜けるというのは殆ど見られず、これでいいのだろうか。彦坂圭克がパワーもあり、うまさもあり、男気のあるいい選手であるのはよく分かった。選抜ではここまで彼頼りではなかったので、晴れていればまた違うのだと思いたいが…。大活躍と単純に片付ければその通りだが、チーム全体について考えると危うさを孕んでいるのではないだろうか。頼れない状況は出現しないのか?
 しかし、強みとして徹底的に押し出す作戦なのならそれはそれでありだろう。本人もどんなに強い相手でも通用するように鍛えてくるのなら…それが可能ならば。ただ、彦坂弟がもっといい意味で目立たなくなれば、花園はぐっと近くなるはずだが。


 どうしても考えてしまうのだが、もうトップリーグはいいから(大人は大人同士、対応できるでしょ。心の傷もそれほど深くならない術を身につけていると思うし)、高校生(と出来れば大学生も)でどういうレフェリングをするかは真剣に話し合って、明確な概念と基準を作ってくれないだろうか。見るたびに胸が痛むのは嫌だ。見ているだけの私が痛むのだから、文句を言ってはいけないと分かっていても、文句を言えないからこそ、選手自身の心の底に沈んでいく悔しさは重いだろう。レフェリーが一生懸命なのは分かっているのだから、もう少し実りある形にならないかなあ、といつも思う。出来ればレフェリーを応援したい。でも、応援出来るような気持ちにさせてもらえることが少ない。見ているとどうもそれは自分だけが感じていることではないので、そういう現状が変わることを願っている。
 いつもこんなこと書いてすみません。



第二試合 西陵73-5瀬戸西

 これくらいのスコアかなと思ってはいた。ただ、準決勝であることを考えるとちょっと力の差が大きい。
 前半は28-5とそれなりに瀬戸西が健闘(とは言えないか)。特に、開始して1分足らず、いきなり西陵が見事なバックスプレーで先制(7-0)した後の5分瀬戸西は10が持ち込み相手陣10m付近でラック→そこからもう一度起き上がった10がうまくギャップを抜けてゲインし、そのままトライ。ゴールは決まらなかったが5-7とする。
 ただし、試合を通じて瀬戸西の得点はこれだけ。ここから西陵は伝家の宝刀モール攻撃を駆使し3トライ3ゴールを追加し前半終了。前半の後半、やや膠着した時に追加点が挙げられなかったのが瀬戸西は痛かった。抜いていけるのが10だけなのが辛い。


 後半はディフェンスで体力が消耗したか、瀬戸西は西陵のトライラッシュを全く防げず、後半だけで7トライ(5ゴール)。挑戦者は刀折れ、矢尽きた。
 

 ハーフタイムでの雰囲気が西陵は非常に張り詰めていた。選手たちは、ただ怖がっているというのとは違い、「自分たちが何故怒られるか分かっているから身構えている」といった様子(観察結果なので真実は不明)。どういう風に試合を運ぶかということを徹底して指導され、何が出来なければいけなくて、今日は何が出来ていないかが分かるのだろう。そこまで分かっているならやはり強い。予想より山田監督が怖い雰囲気なのに少し驚く。勝手にもっと冷静なタイプかと想像していただけなのだが。


 それにしても、この日大活躍は西陵13番の渡辺拓馬君である。走りこむコースもいいし、タッチキックも蹴れる。そして…力強い!!!!タックルされても起き上がる。二回目、起き上がる。三回目、また起き上がる(タックラーは跳ね飛ばされて離れてしまっているので、起き上がっても反則ではないよ状態)。もちろんその度にゲインもしている。あまりの強さに会場はどよめき、お母さん方は「拓馬く~ん」と大声援。高校日本代表候補の中日本メンバーに選ばれている。
 彼はいい。
 選抜の時、西陵についてはSHの伊藤君と、チーム全体について書いたが、実は大分舞鶴戦で「昨日はSHがいいと思ったけど、SOの子いいなあ…」と思ってみていたのが渡辺君。ただ、この試合は前半しか見られなかったのと、SOは、フィジカル的には強い大分舞鶴FWから近いところでボールをもらうので、サイド突破もなかなか厳しく、ものすごい活躍を見せたというわけではなかった。だから、あんまり書いてしまうと誇大広告(?)になってしまうかなと思い、自粛(笑)。
 

 それでも、切れ込もうとする姿の美しさや、ふっと煌くセンス(別に大したことしていない時にも何かを感じさせる選手っていますよね)が印象に残り、西陵のHB団はいいなあ、とずっと頭から離れなかったのだ。
 この日、SOではなく、アウトサイドセンターとして登場。離れたところでボールをもらう分、彼にはスペースが与えられる。狭いところでも抜いていくランは本当に魅力的。選抜と併せて、どのくらいの相手にまで通用するかはこれからなのだろうが、どんどん強い相手と戦ってみてほしい。東海では西陵が一番強い(よね…)のがつらいところ。
 この日、SHの伊藤君の方は雨のせいもあったか今ひとつ。FWの使い方を変えて、9、10(を渡辺君にして)で走り回る東福岡っぽい戦い方をしてみてほしいという秘かな夢があるのだが、渡辺君が13番でこれだけブレイクしてしまうと駄目だろうな。
 アウトサイドとインサイドの違いはあるけれど、SO→CTBのコンバートで大きく羽ばたいた立川理道を思わせる布置。高校ジャパンに選ばれたら面白い。皆さん注目しておいて下さい?!


 最近どの試合を見てもSOが目について仕方ないのだが、瀬戸西のSOがなかなか素敵だった。スケールはちょっと小さいけれど、行こうとする瞬間の背中が「いいSO」の空気を放っている…と見ていたらトライした。どんなチームにもヒーローがいて、だからラグビーは素敵だと思う。
 ついでに名古屋でよかったと思う選手は5番君。アタックでもディフェンスでも体を張っているさまが向こうから目に飛び込んでくる。秋へ向けて走れ、頑張れ~。
 
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by kefurug | 2008-06-02 23:25 | 観戦記(高校)

とりあえず、非常に個人的な思いを書き綴ります。


by kefurug