今年のキャプテン

 やっぱりラグビーについて書きたいなと考えていて…。



 どうしてか、ふと、西橋君のことが浮かんだ。
 桐蔭学園の今年のキャプテン。
 サニックスワールドユースで怪我をしたらしい。夏のフランスと対戦する高校日本代表には選ばれていない。


 関東大会の神奈川県予選三回戦以降試合を見ていないので、今は変わってきているかもしれない。しかし、関東新人大会からの桐蔭の戦い方は見ていても何だか苦しそうで、とにかく、選手たちが「こうすれば出来るはず」なのに、どうしても通用せずに焦り、試合中にどんどん悪循環にはまり、自分たちで状況を厳しくしていくように見える。去年の戦いをお手本にするからこそはまる罠。
 SHというポジションのせいなのか、どうか、彼は時間が経過するまではあまり動かない。ボールを供給する役目に徹しているように見える。あるいは、自分がどうにかしてしまうのは、チームが成長しないと考えているのかもしれない。仲間が点を取ってくれると信じているのかもしれない。
 けれども、どうしても点が取れない時に彼が動く。新人大会では準決勝でも三位決定戦でも、一人でかなりの距離をかわしてもっていけるランと、自分がどうにかしなければならないという気魄で、トライを挙げる。それが出来る選手であり、プレーからはキャプテンとしての責任感が伝わる。


 選抜でも、どうにかしなければならない時、やはり彼が持ち込むしかなかった。しかし、相手のディフェンスはより厳しく、彼がボールを持つ位置も自陣であることが多くなる。いきおい、ランは途中で止められ、ゴールに迫ることが出来ない場面が重なる。
 ラグビーが一人のエースを擁するというだけでは、全く何をどうしようもないスポーツだということを改めて感じさせられる(しかもSH、ボールは近場でもらっているのだから)。彼が何とか局面を打開しようと苦闘する姿には桐蔭というチームのキャプテンであるという誇りと、だからこそこのままではならないという必死さが滲む。もっと楽な状況で才を存分に発揮できる彼を見てみたくもあるが、苦しい状況で何とかしようともがくその姿が非常に印象的でもある。


 桐蔭を特に応援している人間ではない。慶應も向上もこれから更に強くなるだろうし(特に、向上はチームとして勢いが出る時期なのかと感じる)出来れば県大会も混戦の方が面白いだろうなと思っている。
 ただ、西橋キャプテンのあの姿が、悲壮感だけを漂わせるものになってしまうのでは、あまりにもつまらないような気もしている。桐蔭が最近示してきた存在感はそれだけ大きいと思うし、だからこそ今年のキャプテンが背負っているものも重い。
 苦境こそ、キャプテンの腕の見せ所である。秋を、楽しみにしたい。
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by kefurug | 2008-07-14 22:32 | 高校ラグビー

とりあえず、非常に個人的な思いを書き綴ります。


by kefurug