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埼玉県予選三回戦 観戦日記 

 まずはこの記事でしょうか。



 本日、熊谷ラグビー場Bグラウンド、Cグラウンドにてそれぞれ四試合が開催。ちょこちょこ回ればいいのだが、移動しながら見るのが苦手なので、あまり移動しなかった。

 
 第一試合 浦和ー川越東(Bグラウンド)

 浦和が弱い。試合運びが拙く、ばたばたしている。関東大会の時これほど弱弱しくは思えなかった。モールが使えないとこんなに別人のようになってしまうものなのだろうか。バックスに決め手がないのも残念ながら変わっていない。ディフェンスもやや甘く、いいところがあまり見えない。
 対して、川越東は浦和の名前に臆することなく立ち向かい、接戦に持ち込む。ただ、攻め手がないのは同じでキックで敵陣に入ってもゴールラインには届かず、抱え込みの反則になることも。

 それでも後半キックをうまく使い、接戦に持ち込んだのは川越東。とにかく真っ直ぐ深く敵陣に蹴り込み、浦和が後ろに戻るキック処理が苦手なところを突く。10-12まで追い上げたが、終盤の数分、川越東のペナルティを起点に浦和が何とかボールをキープし続け、最後はキャプテン2がゴールライン上にボールを押さえて突き放す。ゴールも決まったところでノーサイド。
 浦和 19-10 川越東

 後半雰囲気は緊迫したが、正直、浦和が弱いので結果的に力が釣り合ってしまった対戦。他の学校の応援のご父兄方が「いい試合だよね~」と話しているのが聞こえるのだが「レベルはどうかと思う…」と思ってしまう自分がおり、いつからこんな風になってしまったんだろうとわが身を省みる(ただし、試合がつまらなかったということでは必ずしもない。この辺が高校ラグビーのよさなのかな)。 
 浦和の次の相手は進修館。ちょっと厳しそう。

 
 第二試合 川越ー立教新座 (Cグラウンド)

 はまった時の川越はいい試合をする。
 つくづく、そう思う。
 もともと、川越高校にはめられて高校ラグビーの深みにさまようことになった自分としては、常に愛着はあるのだが、このチームは出来幅にムラがあり、見に行けないうちにコロッと負けてしまう時もあれば、去年の花園予選のように、浦和を破り、深谷にも善戦(といってよいのでは、と録画観戦ながら思った)。しかし、だからといって期待すると新人戦ではかなり弱体化していて一体何が?と思わせられたりする。春はそれほど芳しくない成績だったが、さすがにピークコントロールがなされているなと感じる今日の戦いぶり。
 攻撃にそれほど目を見張るような素晴らしさはないが、ディフェンスの出足、FWの集散の速さ、接点での強さ、スクラムとこの日は様々なことに関して川越が圧倒。主導権は川越が握っていた60分だった。 


 しかし、最終的に点差は8点しか開かなかった。立教新座には短い時間でトライを挙げる策が用意されていたから。
 後半、やや膠着状態の中で迎えた18分、自陣22m内での川越のペナルティから、立教は回す。これをつなぐ内に、13(か15。背番号がうまく見えなかった)が間を縫いディフェンスの裏に出る。外に二人、ラインで抜けている。川越ディフェンス戻れない。大外14に一人飛ばしのパスが渡り、走りきってトライ。
 川越は相手ゴール前に攻め込む時間が長かった。それなのに、本当に一瞬の出来事。しかも、キックがうまく転がったとかいうのではなく、普段から練習しているプレーであることが分かる動き。前半、攻め手がないと見るや個人技でチャンスを作ったSOとそれにきちんと反応したFBといい、劣勢の中で点を取る、ということのイメージが共有されている(誉めすぎか)。 


 ただ、川越の気持ちは挫けなかった。立教はもう一度チャンスを摑むことは出来ず、川越の気魄と接点の前に涙を呑む。24分には川越が駄目押しのトライ(8点差という絶妙な)で、勝利を手にした。川越 20-12 立教新座


 川越はいよいよベスト8で去年の準決勝の相手深谷と対戦。深谷の高速バックス相手にもう一度速い集散で立ち向かえれば競ったスコアに持ち込めるのではないか。後はプレッシャーを受けても得点する手段を持っているかどうか。厳しいか。
 立教は、破れたのだけれど、SOのパスやCTBが内に入ってくるタイミングなど、やはり随所に工夫が凝らされてい(るように私には思え)て、もっと観てみたいチームだった。問題は中盤での戦い方。きちんとボールをキープして、もう少し安全なところで仕掛けられるようにすれば、もっと状況が変わってくるのだが、そこが一番時間がかかるところなのかもしれない。


 第三試合 慶應志木ー所沢北 (Cグラウンド)

 シードから外れていたりいろいろ謎の多い慶應志木(何があったの?)。県の中で八強と十六強を行き来しているが、前にも書いた通り、どうもブレイクしない。対して、三年前の花園予選を最後に県ベスト4の地位から滑り落ち、復活を期し続けているだろう所沢北。ただ、なかなか結果が出ない。そんなやや曇り空の両チームが互いにどう意地を見せるのか、個人的には非常に興味があった試合。

 
 所沢北のキッカーは2番である。
 所沢北の伝家の宝刀はモール。モールをしっかり組んで押す。とにかく押す。押せなくても押す。それで負けることも往々にしてあったが、私にとっては所沢北と言えば、じれったいくらいのモール。しかし、ELVsの影響でやはり宝刀は抜けない。そんな中、PGと、奪った虎の子のトライのGKを決め、前半10点の内半分を稼いだ2番。やっぱり男は黙ってフッカーをやるべきか(←ここ、流しておいて下さい)。


 慶應はあまりいつもと代わり映えのしない様子。
 攻撃が単調。普通にクラッシュしていくだけなので、トライに時間がかかるというより、ミスが多い。特に前半はタックルを受けてノックオン、の繰り返し。余ってやっと外に回すとパスミス。強い相手に勝つイメージは普段あるのだろうか。
 

 接点は慶應の方が強い(体が大きい)。所沢北は攻め手がないのでボールを持ち続けることが出来ず、ボール支配率はおそらく圧倒的に慶應だったと思う。しかし、所沢北がディフェンスを頑張ったため慶應はなかなか得点を挙げることが出来ず、攻め手がないなりに、とにかく真っ直ぐ蹴り込むことを徹底していた所沢北が、いちいち相手を裏に下げて、ディフェンスで遮断。流れをつかませないことに成功。25分には3→1というラグビーファンを泣かせるつなぎでトライを先に奪う。なんだかいい試合である。
 終了間際、慶應がPGを返し、3-10で前半を折り返す。

 折り返して、後半しばらくしたところで、Aグラウンドに移動し、高校生の観戦は一旦ここで終了。後半は慶應が押し気味。
 途中、Aグラウンドから眺めたところスコアは 慶應15-10所沢北。トコキタ、力尽きたか。そのまま試合終了。
 所沢北の、迷いなくディフェンスする姿勢が試合に芯を通した。後は互いにフィットネスかも。


 第一試合だけは、間にちょっと「深谷ー松山」(Cグラウンド)を見た。深谷のBKのスピードはやはり圧巻(県内では)なので、止めようがないことが多くなるのだが、ゴール前でも諦めずにディフェンスする松山、いいラグビーだったと思う。

 進修館ー草加も本当は見たかったし、熊谷工と正智深谷を両方見られなかったのがちょっと悔いが残る。熊工は大差での勝利だったのでとりあえず仕方ない(でも、川越工業見てみたかったな)としても、正智29-10大井というのは大善戦では。悔しい。
 でも、明日スーパーリーグがあるから、実はAチームじゃありませんでした、なんていう恐ろしいオチじゃないよね?深谷も。

 
 
 本当は、この試合を見てからAグラウンド(中央ー流経)に行こうかと思っていたのだが、校歌が流れてきたのを聞いて「あ、そろそろ行かなきゃ」と思ってしまった自分に対してちょっと微妙な気持ちになった。
 君は高校ラグビー命ではないのか…?


 ただ、やはり高校ラグビーはいい。試合が漂わせる空気が全然違う。
 選手たちにとって、試合が持つ価値が全然違うのだろうな。大人や、大学生と。
 各地の花園予選が心から楽しみだ。



 第三試合の観戦中に、神奈川県予選にて柏陽敗れるの報を受ける。
 残念である。痛みは辛いものでもあり、しかしながら、痛みを感じさせてくれるチームに遭えることを僥倖としなければならないだろう。三年生、そしてチームの皆さん、お疲れ様でした。
by kefurug | 2008-10-12 23:05 | 花園予選’08

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