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岩手県大会決勝

 盛岡工ー黒沢尻北  10月19日、盛岡南公園球技場にて、晴天の下キックオフ。



 風がとても強い。旗が激しくなびいている。

 盛岡工
 1佐藤 2大森 3小坂 ④和田 5澤川(昴) 6中村(智) 7佐々木 8中村(剛) 9阿部(正) 10藤田 11澤川(貴) 12菅原(拓) 13上田 14阿部(周) 15菅原(智)

 黒沢尻北
 1畑中 2本見 3菅野 4佐藤 5刈屋 ⑥千葉 7千田 8照井 9松井 10八木 11三浦 12嶽間澤 13児玉 14山崎 15渡辺


 いずれも○はキャプテン、ちなみに盛工6と8は双子とのこと。ついでに12と15の両菅原も(学年は違う)、拓哉と智哉という字面から兄弟ではないかと予測(多分、澤川君たちも?)。たまたまだったらごめんなさい。ついでに、黒北の12番の嶽間澤君、非常に画数が多い(名前の方も秀幸)。小さい頃は名前を書くのが大変だったのでは…(ラグビーとは全然関係ない)。


 前半 黒北のキックオフ
 風上に立つ黒北、強風のせいでキックがいきなりインゴールへ。ドロップアウトとなり、盛工ボールのセンタースクラム。波乱を予想させる幕開け。

 スクラムは盛工が優勢(FW平均体重:盛工87㎏ 黒北87.5㎏)。
 FWで、近場勝負の盛工。近場近場で攻める。やはり体が強い。しかし、黒北も防ぎ続ける。多少ゲインされても切れずにタックル。ペナルティを誘ったり、ターンオーバーも果たしているのだが、そこから反攻するきっかけをつかめず、序盤は盛工がボールを支配。 


 14分 盛工 黒北がラインアウトでノットストレートの反則をとられたのを機に盛工が攻撃。5が持ち込んだラックから9→10→12と渡ったところで12がギャップを突き防御の裏へ出る。更にステップで相手をかわし、 タックルを受けながらもゴールに迫ったところでラック。FWで一旦サイドを突き、そこから出たボールを10がうまいボディーバランスでゲインしラック。8がボールを持ち出し、遂にトライ。10のゴールも決まり、7-0


 17分 黒北 盛工のタッチキックから黒北ボールラインアウト。これをキープし、ラック。左へ展開し9→10→14と渡りラック。そこから一旦FWで右に攻めラック、更に逆目に左へ振ったところで10から15へ飛ばしパス、15がディフェンスを引き付け、ボールは外を走ってきた14へ。そのままトライ。12のゴールも決まり、7-7


 キックオフのボールを黒北15が蹴り返し、キャッチした盛工が攻める。しかし、黒北ディフェンスでものすごいプレッシャー。キックチャージも見せるなど、取らせない気魄がプレーからはっきり分かる。盛工はボールこそ持ち続けているが、陣地を回復することが出来ない。モールを組もうとするもノックオン。
 ここから黒北が攻める。10がパスダミーから抜こうとする。ラックサイドを8が突く。近場で無理だとなれば15のキックで前に出ようとする。しかし、盛工の圧力も大きい。モール状態をパイルアップにしてマイボールスクラムに持ち込んだり、キック処理を素早くすることで相手に決定的なチャンスを与えない。互いに全力をぶつけ合う中で、黒北9がキックを取ろうとしてノックオン。


 ここからはまた攻守はところを変え、盛工が攻める。とにかくFWは行ける所まで行く。BKはパスを回すというよりは、うまく何とかランでギャップを作って抜こうとする。しかし、一連の攻撃も最後は黒北ディフェンスに12がつかまり、ノットリリースザボール。
  

 29分 黒北 黒北ラインアウトのノットストレートから盛工ボールスクラム。そこからBKに回したところで、12がファンブルしかかるが何とかキャッチ、しかし、次にボールを受けた13がノックオン。このこぼれ球を黒北11が素早い反応でキープしラック。出たところを受けた15が見事に盛工ディフェンスを抜く。一気に裏に出て、外をサポートする14に再びパス、14は右隅にトライ。ゴールは決まらなかったが、12-7。 


 後半
 
 3分 盛工 ラインアウトでのスティールから盛工が攻める。15が切り込もうとするところを黒北ハイタックル。ゴール前5mよりやや外、右中間の位置で盛工はPGを選択、これが決まり10-12。 


 8分 黒北 盛工のペナルティキックが直接インゴールに入ってしまう。蹴った地点でのスクラムを起点に黒北が攻め込む。ラック連取から10が15に飛ばしパス、見事に15が抜ける。14が外についている、回りこんで15トライ。ゴール成功、19-10


 キックオフを黒北ノックオン。盛工攻める。
 黒北も前半と変わらず、激しいディフェンス。それでも攻め続ける盛工の力強さが目に付く。しかし、どれだけボールを継続しても、ゴールラインが越えられない。三度、キャリーバックスクラムが繰り返される。

 
 16分 盛工 三度目のスクラムから8がサイドを突きラック、持ち出して4がトライ。ゴール成功、17-19。数分間の猛攻、猛(?)守。


 キックオフの蹴り返しから黒北に渡ったボール、再び15が抜けたところで11にパス、絶好のトライチャンスだったが、盛工21が追いついてタックル。
 更に黒北は12が裏に抜けるも、味方を待ったせいでパスミス。追加点が奪えない。

 盛工も、やはりFWでゴール前に迫ってもトライ出来ない。互いに本当にすごいディフェンスである。
 解説者もしみじみ「いい試合です…」。


 黒北のペナルティから盛工がタッチキックで黒北陣深くに入る。このラインアウトをキープした7がいきなり突っ込む。そこから攻め続けるも、グラウンディング出来ずキャリーバック。この後の攻撃で盛工はノットリリースの反則。タッチから黒北ボールのラインアウトで更に盛工はノックオン。攻めたい黒北、12がディフェンスを突破できず、ペナルティ。 

 24分 盛工 黒北陣10mからわずかに入ったところでPGを狙う。これが決まり
、遂に20-19


 盛工がキックオフをキャッチ後、タッチに出てしまい、黒北ボールラインアウトに変わる。しかし、これがノットストレート。互いに攻めてはミスが出る。張り詰めた空気のなせる業か。


  27分 盛工 黒北、ボールを持って走りこんだ15をみんなで囲み、モールで押し込む。しかし、パイルアップをとられ、盛工ボールのスクラム。ここから右に出し10→12、うまくずれて抜けたところをディフェンス追いつけず。駄目押しのトライ。ゴールも決まり、27-19、8点差。


 残り時間は少ない。
 何とかしたい黒北だったがボールに触れてもノックオンを重ねてしまう。しかし、ロスタイムで盛工がペナルティ。自陣であったが回すしかない黒北、攻めるも最後、25がタッチに押し出され、時間切れ。
 


 盛工の戦いはシンプル。しかし、迷いがないので見ていて気持ちがいい。足腰が非常に強い。10番の強気な感じが去年の高城君を思い出させる?バックスも強さを生かして走るので、うまくはまれば面白そう。
 拮抗している相手なら、自分の強みで徹底的に勝負する。同じ日に大学生たちが出来なかったことを高校生は思いっきりやれている気がした。
 試合前の校歌斉唱も、盛工が歌っているのは何だか好きだ。
 後半、じりじりと点差を詰め、逆転し、突き放す展開に、花園常連校の執念と粘り強さを見た。


 黒北は、いい戦いだったのだが、折角トライを取った後のキックオフでのノックオンや、風が強いとはいえラインアウトでのノットストレートなど、勿体ないミスで相手にチャンスを与えてしまったところがある(熊谷でも、花園でも、強風下ではなかなか難しいのだが…)。最終的に開いた8点差のうち、PGが6点を占めるのは、盛工がきちんとそこにつけ込んだ試合をしたということであろう。そして、ほんの少し、フィットネスが足りなかったか。
 しかし、黒北のBK陣、特にバックスリー、惚れた。春の東北大会の仙台育英戦ではこんなに輝いていなかった(失礼)。高校生の成長は著しいものだとつくづく感銘を受ける。そして、BK陣がそう動ける試合運びをしたFW陣も見事。本当にいい試合だった。


 これを岩手の人しか見られなかったなんて、勿体ない…。花園一回戦、二回戦くらいには劣らない質の試合のような気が…。
 ただ、だからといって盛工がどれくらい強いかはちょっと分からない。東北からBシードが出るならとりあえず青北ではないかとにらんでいる(仙台育英がどれくらい強いかいまいち分からない)けど、比べてどうかな…。青北の試合を楽しみにしましょう。

 

 いつものおまけ
 この前日立一vs勝田の記事で書いた黒沢尻北のFB、どうも私の記憶の中の新人戦の時のFBと違うような気がしてならず…。自分が思い出していたのは14番の山崎君だったと思われ。もしくは11番の三浦君?新人戦の時の「小柄なバックスリーだなー、そして、とにかく速いなー」と思った印象が強すぎて。記憶が混乱しているんだな多分。ここに訂正しておきます。渡辺君は身長高い!高校日本代表候補。今年私のテーマは渡辺か(西陵の渡邊君といい…)。


 

 記事長くてすみません。
by kefurug | 2008-10-22 23:51 | 花園予選’08

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