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踊り場 (関東新人大会 三日目)

 復活を賭けて第三ラウンド。或いは、頂点を目指してセミファイナル。



 四日間の戦いの後半戦に入る。 


 第一試合 流経柏 19-15 正智深谷
 
 長めに持って、ぽっと短く放ったパスに味方が走りこむと必ずゲインを切る。この日も正智SO森谷の独特の間合いから繰り出されるパスで小気味よく選手が抜ける場面にスタンドの高校生たちも感心しきりである。
 問題はその後だ。仕掛けはSOのところでしかなされないので、ディフェンスに追いつかれ、状況が厳しくなるとミスが出る。チームはまだその段階に止まっている。前半10-0と辛うじてリードで折り返すものの、後半は風下に回ることを考えれば十分な点差とは言えない。

 後半、流経柏が風上を利して意地を見せる。相手のミスにも助けられ、後半半ばを過ぎるまでに12-0と逆転に成功するが、点差は僅か2点、試合の最後15分が大切な時間帯となった。ターンオーバーを起点に攻め込んだ正智は、相手ペナルティなども挟んでゴール前に迫るが、ラックがパイルアップになりスクラム。ここからFWで最後は6がトライ。ゴール決まらず15-12。再逆転だが、これも僅か3点差に過ぎない。
 残り時間数分、流経柏はペナルティをもらったものの、ノータッチキックを蹴ってしまう。しかし、これを正智が処理ミス、流経のチャンスとなり、相手ペナルティから即座に10が一気にゲイン、更に正智はペナルティを犯してしまい、何とか流経が押し込んでトライ。ゴールも決まり、19-15となる。
 それでも1トライで逆転出来る点差だったが、最後に正智はミスが続き攻めきれず、ゲームオーバー。流経柏が何とか5位決定戦に駒を進めた。

 ただ、結果的に怪我の功名でトライに結びついたものもあったが、ペナルティをもらった際に流経は、ベンチが「ゆっくりー!ゆっくりー!タッチ!」と叫んでいるのも全く耳に入らないようで、陣地戦略など何も考えずにとにかく速攻をかけている場面が目に付いた。新チームになり、試合経験の少ない選手たちが緊張が解けない様子である。去年は新人戦も、春の大会でも関東王者だったが、今年はどんなチームになるのだろうか。

 正智は、6、8の両留学生に限らず、一人一人は強いのに、それが結実しない。新人戦であることを差し引いてももう少しどうにかしてあげられないものなのだろうか、と指導陣に対してつい考えてしまうのだった。
 負けても選抜には出られるという立場であることが、気持ちを引き締める上でよからぬ作用をもたらしたかもしれない。


 第二試合 国学院栃木 10-8 日川

 前半の前半、日川が攻め込むが決定力不足であるのは変わらず、ゴールラインが遠い。一方、国栃もよく分からない攻撃でミスを連発、ターンオーバー、ミス、ノックオンの応酬で至って締まりのない試合である。選手たちは必死であり、ディフェンスに大きな穴が開かない故にトライが生まれないということはあるのだが、どうもぴりっとしない。
 前半29分、ようやくスコアボードに0でない数字が入る。国栃が敵陣ゴール前でのスクラムをターンオーバーし、8がトライ。9のゴール決まらず5-0。


 後半、10分日川はチャージから10がボールをキープ、自陣から走り切りトライ。15のゴールは外れ、5-5。更に20分、日川は攻め込んだところでペナルティをもらい速攻、しかし、レフェリーにぶつかってしまいやり直しとなる。ここでPGを選択、決まり、8-5と初めてリードを奪う。
 しかし、23分、国栃は相手のペナルティからタッチを狙わずに攻め、右隅に14(か9)が飛び込んでトライ。ゴールは外れ10-8、再逆転を果たす。
 PGでも逆転出来る点差であったが、日川はキック処理、ラインアウト等でミスが出て攻められず、試合終了。
 試合終了間際にも国栃が日川のスクラムをターンオーバー、接点などのFW戦の部分で国栃が強かった。

 しかし、残念ながら、互いに拙攻に過ぎるように感じた。22m内に入った時に防御に遭ってもしっかり仕留められる手段でトライを挙げるのを見せてもらいたいものだなあ…と思ってしまった。これは第一試合も実は同じなのだが。
 
 

 第三試合 桐蔭 29-5 清真
  
 この日も、試合開始早々に桐蔭が勢いに乗ることに成功した。2分、ハーフウエィライン付近での清真のオフサイドから、桐蔭9がすぐさま攻め、なんと走り切ってトライを挙げてしまう。ゴールは外れたものの、機先を制する大きな一撃である。更に11分PGで3点を追加、8-0とする。
 しかし、清真も接点では互角に渡り合う。こちらの試合は引き締まったターンオーバー合戦が繰り広げられ、更に互いにモール巧者、気持ちのぶつかり合うFW勝負が繰り広げられる。
 25分、清真のノックオンから桐蔭ボールのスクラム。ブラインドから逆サイドに回りこんだ14がボールを受けてゲイン、最後は3が飛び込んでトライ。ゴール決まり15-0とリードを広げる。更に32分、清真のペナルティから桐蔭はFWで攻める。ラックから受けた8が逆サイドに回りこんでトライ、ゴールも決まって22-0となったところで前半終了。

 後半、桐蔭はまた素早く得点を挙げる。2分、清真にターンオーバーを許したものの、そこからのキックを受けてカウンターから10が大きくゲイン。最後は11が走り切ってトライ。ゴールも決まり、29-0。
 すぐさま清真が反撃。4分、スクラムで桐蔭がペナルティ。8がすぐ行きトライ。ゴールは外れ、5-29。
 しかし、両チームとも後半の得点はこれだけ。清真が攻める時間が長かったが、桐蔭の速いディフェンスの前にゴールラインに迫れない。防御に回っては密集でも反則が多く、リズムに乗れないままノーサイドを迎えた。

 前の週、それぞれに見事な試合運びを見せた両チームだったが、勝利で自信をつけたかに見える桐蔭に対し、清真は一旦エネルギーを吐き出しきってしまったのではないかと思われた。健闘を見せたが、やはりどこか精彩を欠いていたように思う。
 全国レベルでどうかはともかく、桐蔭のチームとしてのオーラが戻ってきつつある。この日はSHのところでプレッシャーを受けて球出しが滑らかでなかったのが気になった。

 清真の「刺されー!!」「タックルー!!」という雄叫び、桐蔭は、マイボールスクラムでボールが出るまでBKが掛け声を出し続ける。高校生らしい彩りが添えられた試合だった。
 

 第四試合 久我山 43-7 茗渓

 残念ながら一方的な試合になってしまった。タックルに行っても上でつながれる、という久我山の攻撃への対策を茗渓が用意しているかどうかが焦点だったが、茗渓も久我山を止めることは出来なかった。
 前半、茗渓が風上でありながら、8分、21分、28分、32分と久我山が4トライ3ゴールを重ね、26-0。前半中盤、7-0の時点で茗渓はターンオーバーから久我山ゴールに迫ったが、得点を挙げられなかった。一旦ライン際でボールを持つと久我山は一気にゲイン出来る。タックルに行くのが難しい場所なので、トライに効果的に結びつく。



 これだけ点差がついて後半茗渓が風下ではちょっと辛いだろう…と思い、都県対抗 東京ー神奈川を後半10分頃から見てみた(茗渓、久我山、両チームの選手たちごめん)。
 コンバインドチーム同士だからか(?)、守り勝つというよりは、「攻めて勝つ!」という雰囲気で互いにBK勝負、ボールがよく動く華やかなゲームだった。互いにしっかりとタックルもしているので、大味な感じはしない。
 特に東京のBK陣のスピード感溢れるランが印象的だった。

 スコアボードを見たところ、前半、東京が3トライ2ゴールで19-0とリード。後半、互いになかなか22mから内に入れずグラウンド中盤での攻防が続いていたが、残り時間僅かとなったところでCTB(だったはず違ったらごめんなさい)のゲインから神奈川が1トライを返す。ゴール失敗。まだ時間がある。かなり長いロスタイム、神奈川は攻めに攻めてボールをキープ、意地でもう1トライを返し、10-19としたところで試合終了となった。
 神奈川の14番の選手、個人的には好きですね。速いし、タックルがいいかなーと。
 都県対抗こそメンバー表ほしいものなのだが。売ってくれていいからメンバー表下さい…。


 相変わらず取り留めない観戦記事すみません。
by kefurug | 2009-02-21 23:54 | 観戦記(高校)

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